Windowsパソコンの設定

授業に使うアプリがWindowsパソコンで起動しないという問題に遭遇しました。その問題を解決した時のメモを兼ねて、Windowsパソコン特有の設定項目について書きます。記事の中で示すスクリーンショットは Windows 11 のものです。

WindowsとMacに共通する設定については別の記事に書きましたので合わせて参照してください。

FileExplorerの表示設定

FileExplorerのウインドウでは左半分でドライブ内のフォルダー・ツリーを、右半分でフォルダーの内容を表示します。Windowsの初期状態では左右が連動する設定になっていないので極めて不便です。これを、左側でフォルダを選択したらその内容を右側で自動表示、右側でフォルダーを移動したら左側に自動で反映するように設定できます。この設定はすべての人にお勧めします。

設定方法は、FileExplorerのメニューから [オプション] を開いて、[表示] タブの中の [開いているフォルダーまで展開] をチェックしてください。

コントロールパネルの起動方法

Windows 10 や WIndows 11 では多くの設定項目が「設定」(歯車アイコンから起動)の中でできるようになりましたが、システムの動作に関わる設定など、旧来のコントロールパネルでしか設定できない項目も残っています。「コンパネを開いて」と言われたらすぐにできるように、コントロールパネルの起動方法を覚えておいてください。方法はいくつかありますが、お勧めはショートカットをデスクトップに置いておく方法です。

FileExplorerから起動する

FileExplorerの上矢印「↑」を何度か押して、いちばん上の階層に移動するとコントロールパネルがあります。

検索して開く

Windowsメニューの検索窓で検索すると見つかります。「コントロール」ぐらいまでタイプすれば出てきます。

デスクトップにショートカットを作っておく

上記いずれかの方法でコントロールパネルを起動したら、左上のアイコンをデスクトップにDrag&Dropしてください。デスクトップ上にショートカットアイコンができるので次回からはそれをクリックするだけで起動できます。

Windows Update の実行と停止

「設定」の中に Windows Update の項目があります。1週間〜1ヶ月に一度くらいは、この中の「更新プログラムのチェック」を実行してください。Windowsのセキュリティ対策パッチなどが配信されるので重要です。

更新プログラムの内容によっては Windows Update の実行に長時間かかることがあります。ごく稀にですが、配信された更新プログラムに問題があってシステムが不安定になることもあります。Windows Update の実行には若干のリスクが伴うことを理解した上で、時間の余裕があるときに安定したネット接続状態で実行してください。

更新プログラムの種類によっては「更新プログラムのチェック」を実行しなくても強制的に処理が開始される場合があります。プレゼンテーションの最中に突然 Windows Update が始まって台無しになってしまったり、ネット接続が貧弱な外出先で Windows Update の実行が始まってパソコンをシャットダウンできないなど、トラブルの原因になることもあります。そのような事態が想定される場合は事前に Windows Update を停止しておきましょう。上のスクリーンショットの「更新の一時停止」の設定により、一定期間 Windows Update を止めることができます。

いま Windows 10 を使っていて、WIndows 11 への更新を案内された場合は適当な時期を選んで実施してください。時間がかかるので前期・後期の授業が終わって時間があるときに実行すると良いでしょう。

電源&バッテリー

学校でパソコンを使っていて授業の終了時間までバッテリーが持たないならパソコンの設定を見直してください。「設定」→「システム」→「電源&バッテリー」の中に電源とバッテリーに関する設定項目があるので、それぞれの機能を確認して必要なら変更してください。

コントロールパネルの「ハードウエアとサウンド」→「電源オプション」にはより詳細な設定項目があります。また、パソコンによってはメーカー推奨のプリセット設定や、専用の設定アプリが提供されている場合もありますので、マニュアルなどで確認してください。

ただし、バッテリーは使えば劣化するものです。劣化が激しい場合はパソコンメーカーに問い合わせてバッテリーを新品に交換する必要があります。

高速スタートアップの無効化

Windowsにはパソコンの起動を高速化する「高速スタートアップ」という機能があります。ありがたい機能のように思いますが、実際に高速化されるのはほんの数秒です。高速スタートアップは実行中のパソコンの状態を一部記憶しておくことによって次回の起動を高速化する機能ですが、結果として電源オンや再起動時にシステムが完全にリセットされず、色々な障害を引き起こします。この機能は無効化しておくことを勧めます。

コントロールパネルを開いて、[ハードウェアとサウンド] → [電源オプション] と進んで、左側に表示される項目から [電源ボタンの動作を選択する] を選んでください。初期状態では「高速スタートアップを有効にする(推奨)」が有効になっており、変更できない状態になっています。「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックすると変更可能な状態になるので、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外して無効にし、「変更の保存」をクリックしてください。

パソコンの利便性を重視するなら、「高速スタートアップ」ではなく、スタンバイ機能などを活用することをおすすめします。

WiFiのネットワークプロファイルの確認

パソコンのネット接続にはWi-Fi(無線LAN)を使っている場合が多いと思います。そのWi-Fiの接続状態を確認してみましょう。「設定」の左側のメニューから [ネットワークとインターネット] を選び(左側のメニューが表示されない場合は「設定」のウインドウを左右に広げてください)、右側のメニューから「Wi-Fi」を選びます。

オン/オフのスイッチ以外のところをクリックすると、今接続されているネットワークの名前が表示されるので、そのプロパティを参照します。

ここで接続中のネットワークが「パブリック」か「プライベート」のどちらのモードで接続されているかわかります。「パブリック」は駅・空港やスターバックスのWi-Fiなど公共の場所のネットワークで使います。このようなネット環境は危険度が高いので、パソコン側では強いセキュリティを適用します。「プライベート」は堅固なセキュリティが確保された、企業内のネットワークなどで使われます。

「パブリック」で使ったほうがセキュリティ面では安心なのですが、アプリの動作に必要な通信が遮断されて通信できない(アプリが起動できない)などの問題が起きたときは、「プライベート」に変更してみてください。

セキュリティ対策

パソコンのセキュリティ対策としては、市販のウイルス対策ソフトを使う方法もあります。企業ではトレンドマイクロ社のウイルスバスター等が有名です。企業や学校でウイルス対策ソフトをサイト契約している場合も多いので情報部門に確認してください。

市販のソフトを使わなくてもWindowsには「Windows Defender」というセキュリティ機能が初めからインストールされていますが、その Windows Defender の設定によって授業で使うアプリが起動できないというトラブルがありましたので説明しておきます。Defenderの機能を停止したり設定変更するときにはリスクを伴いますので、十分注意して行ってください。

Windowsメニューから「Windowsセキュリティ」というアプリを起動してください。「設定」の中からメニューを辿って開くことも出来ますが、直接起動したほうが早いです。

次のような設定画面が表示されますのでひとつづつ見ていきます。

  • 「ウイルスと脅威の防止」

この設定はウイルス対策のための重要な設定ですので、基本的に有効に設定しておいてください。ごく稀に、ダウンロードしたアプリやデータファイルがウイルスであると誤認識されることがあります。アプリの場合はウイルスパターンが古かったり、データファイルの場合は含まれるデータが偶然ウイルスパターンに一致したりすることが原因でそのような問題が発生します。そのようなアプリやデータの安全性が別途確認できた場合に限り、一時的に無効に設定して、作業が終わったら有効に戻してください。本当にウイルスである可能性も否定はできませんので、くれぐれも注意して扱ってください。

  • 「アプリとブラウザー コントロール」→「評価ベースの保護」

この中の「アプリとファイルの確認」や「望ましくない可能性のあるアプリのブロック」は危害を及ぼす可能性のあるアプリの使用を制限する機能で、一般的なアプリを使っている限りは有効にしておいて問題ありません。ところが、エンジニアリング用のツールの中にはMicrosoftの認証を得ていない状態で公開されているものがあり、危険なアプリと判定されてしまうことがあります。アプリが起動できない等の症状が発生する場合には、そのアプリの安全性を十分確認した上で、この設定を無効にして改善しないかどうか試してみてください。

BIOS

BIOSとはBasic Input Output Systemの略で、パソコンのマザーボード上のROMに搭載されているプログラムです。パソコンが正常に動作している限り変更の必要はありません。稀にパソコンメーターから(マイクロソフトではありません)新しいバージョンが供給されることがあり、パソコンの動作やセキュリティに関係する場合があります。Windowsの設定だけで問題が解決しない場合は、使っているパソコンメーカのサポートページなどを確認して新しいBIOSが公開されていないか確認してください。

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