PlatformIO の使い方

Arduino IDE の代替手段である PlatformIO を使ってみました。PlatformIO は VSCode の拡張機能なので、VSCode がインストールされていることが前提になります。VSCode のインストールについてはこちらを参照してください。

インストール

VSCode の拡張機能で “PlatformIO IDE” を探してインストールしてください。”platform” くらいまで入力して検索すると出てきますのでインストールボタンをクリックします。

VSCode の左端に虫の顔のような PlatformIO のアイコンが現れたらクリックします。

PlatformIO を初期化する処理が始まりますのでしばらく待ってください。インストールが完全に終わると VSCode を再起動するように誘導されますので再起動してください。

プロジェクトの作成

PlatformIO のアイコンをクリックし、メニューから PIO Home / Open を選ぶと PlatformIO のホーム画面のタブが開きます。

New Project – 新規プロジェクトの作成
Import Arduino Project – Arduino IDE で作ったプロジェクトのインポート。インポートしたファイルを編集・保存すると元のファイルが変更されるので注意してください。
Open Project – プロジェクトのフォルダーを選択して開く

※以前作業したプロジェクトは、①メニューの PIO Home / Open の少し下の Projects & Configuration、または ②PIO Home の Home アイコンの下の Projects アイコンをクリックすると表示されるので、そこから開くことができます。

手始めに、例として Arduino Uno でＬチカをやってみます。”New Project” を選択して次の画面で必要な項目を設定します。

Name – プロジェクトの名前です。例えば “ArduinoUno_Ltika” 等と設定します。
Board – マイコンの種類です。”Arduino Uno” を選択してください。その他のマイコンを使っている場合は適宜設定を行ってください。
Framework – “Arduino” を選択します。
Location – ファイルの保存場所です。”Use default location” をチェックするか、または保存するフォルダーを指定します。

必要な項目を設定できたら青い “Finish” ボタンを押します。platformio.ini というファイルにはプロジェクトの管理情報が記入されます。このプロジェクト用にライブラリを追加するとき等は編集が必要になります。プロジェクトのフォルダーの src というフォルダー下に main.c があります。これがプログラムの雛形です。

プログラムの作成と実行（Ｌチカ）

ファイル main.c に次のようなプログラムを書きます。

#include <Arduino.h>

void setup() {
  pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);
}

void loop() {
  digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH);
  delay(1000);
  digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);
  delay(1000);
}

#include <Arduino.h>

void setup() {

pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);

}

void loop() {

digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH);

delay(1000);

digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);

delay(1000);

}

Arduino Uno をパソコンの USB ポートに接続して、VSCord ウインドウの下端にある “→” アイコンを押すとプログラムがコンパイルされ、Arduino Uno マイコンに書き込まれます。Ｌチカが動作することを確認してください。

Arduino IDE との違い

ソースコードの違い

上記のＬチカのプログラムのようにマイコンに応じてライブラリファイルをインクルードする必要があります。

#include <Arduino.h>      // この行が必要

1	#include <Arduino.h> // この行が必要

ライブラリ

ライブラリは PIO Home の Libraries アイコンをクリックした画面で検索し、必要なライブラリが見つかったらダウンロードボタンを押します。

次の画面で、インストールするライブラリのバージョンと対象のプロジェクトを選択できます。プロジェクトごとにライブラリを管理できるのは Arduino IDE に比べて優れている点です。

シリアルポートの設定

マイコンが接続されたUSBポートを自動認識してくれるので、Arduino IDE ような設定は不要です。自動認識した内容は PIO Home の Devices の画面に表示されますので確認できます。

シリアルモニター

シリアルモニターは VSCode ウインドウの最下行の「コンセントのプラグ」のアイコンで起動されます。表示内容が文字化けする場合は通信速度の設定を行って、改めてプログラムを書き込むと正常に表示されます。通信速度の設定は platform.ini ファイルに次のように記述することで可能です。

[env:uno]
platform = atmelavr
board = uno
framework = arduino
lib_deps = arduino-libraries/Servo@^1.2.1

; Serial Monitor speed
monitor_speed = 115200         ← この行で通信速度を指定する

[env:uno]

platform = atmelavr

board = uno

framework = arduino

lib_deps = arduino-libraries/Servo@^1.2.1

; Serial Monitor speed

monitor_speed = 115200 ← この行で通信速度を指定する

シリアルプロッター

PlatformIO にはシリアルプロッターの機能はありませんが、VSCode に拡張機能 Teleplot をインストールすると同様の機能が使えます。PlatformIO のメニュー QUICK ACCESS / Miscellaneous / Serial & UDP Plotter を選択すると teleplot のインストールに誘導されます。VSCode のメニューから拡張機能 teleplot を検索してインストールしても同じです。

Teleplot のインストールが終わると VSCode 下端にアイコンが現れます。

Teleplot アイコンを押すと “Teleplot” のタブが現れます。シリアルポートを選択して、通信速度を設定して Open ボタンを押すとグラフを表示してくれます。

試しに次のプログラムを実行してみてください。

#include <Arduino.h>

float rad = 0.0;

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  delay(1000);
  Serial.print("\n--- Start ---\n");
}

void loop() {
  rad += 0.1;
  Serial.print(">x:");
  Serial.println(sin(rad)*100);
  delay(100);
}

#include <Arduino.h>

float rad = 0.0;

void setup() {

Serial.begin(115200);

delay(1000);

Serial.print("\n--- Start ---\n");

}

void loop() {

rad += 0.1;

Serial.print(">x:");

Serial.println(sin(rad)*100);

delay(100);

}

プログラムを書き込むときには Teleplot は Close ボタンを押していったん停止する必要があります。書き込み終わったら Teleplot の Open ボタンを押してください。