Jetson Nano 2GB 開発者キット

Jetson Nano 2GB 開発者キット が届きました。現在の市販価格で 8,000円程度です。

2階建てになっています。スロットに差さっているのが Jetson Nano 本体モジュール。「開発者キット」ではない Jetson Nano は本体モジュールだけで、電源供給すら困難なので購入時には注意。コネクタは左から USB Type-C(電源)、HDMI、USB 3.1、USB 2.0(2個)、Ethernet、micro USB、左横に MIPI CSI-2(カメラ用コネクタ)、右横に40ピンのヘッダー、本体モジュールの裏に micro USB スロットがあります。

動作させるには他に、5V 3A USB Type-C のACアダプタと、32GB以上の micro USB カード が必要になります。参考になりそうなページをざっと調べました。

スイッチサイエンスのページ

NVIDIAの製品ページ

NVIDIAの公式チュートリアル

NVIDIA Developer のダウンロードページ の “Jetson Developer Kit user guides” というリンクの先にユーザーガイドもあります。

OSのインストール

NVIDIA Developer のダウンロードページ から該当モデルのSDカードイメージをダウンロードします。今回は Jetson Nano 2GB Developer Kit を選択すると jetson-nano-2gb-jp46-sd-card-image.zip というような名前のファイルが降りてきました。

2022年4月現在 JetPack 4.6.1 が最新版ですがこれはうまく動作しませんでした。Jetpack 4.6 を使用してください。

イメージを書き込むツール balenaEtcherをダウンロード します。Windows と Mac の両方のバージョンがありますのでインストールしてください。

Etcherを起動して Flash from file を選択して、先程ダウンロードしたSDカードイメージを指定します。ZIP形式のままで構いません。

32GB以上の microSD カードをパソコンに挿入して、Select target をクリック、イメージをインストールするカードを選択します。

Flash! を押したらインストールが始まります。

終わったら microSD カードを取り出します。Mac の場合は「接続したディスクは、このコンピュータで読み取れないディスクでした。」と警告が表示されますが、気にせず「取り出す」を押して取り出してください。

Jetson Nano に microSD カードを挿入、モニター・キーボード・マウス・電源を接続して起動します。いろいろ聞かれますがデフォルトでOK。

基本設定・確認

OSのバージョンを調べたら Ubuntu 18.04.05 LTS が入っていました。

いつものようにシステムを更新しておきます。

後で気づきましたが、 [メニュー] > [設定] > [Software Updater] のツールが自動で走っていて、システムは自動更新されるようです。

[メニュー] > [設定] > [言語サポート] を起動するとこのようなメッセージが表示されたのでインストールしておきます。

改めて [メニュー] > [設定] > [言語サポート] のメニューを確認して、もし日本語がインストールされていなかったら [言語のインストールと削除] からインストールします。”日本語” がリストの一番上になるように並べ替えておきます。

“キーボード入力に使うIMシステム” を fcitx に変更してシステムを再起動すると日本語入力ができるようになります。

スクリーンショットはキーボードの Print Screen ボタンを押すとメニューが起動します。全画面、ウインドウ単位 などでスクリーンショットが撮れます。

Jetson Nano を使うために準備したもの

まだ Jetson Nano を触り始めたばかりで、全部正常に動作するかはわかりませんが、準備した周辺機器を説明します。

ACアダプタ

Raspberry Pi で使っている 3A のものを流用しました。中間スイッチでオン・オフできるタイプです。ネット記事では 4A が良いという情報も見ますが、3A で様子を見ます。

WiFi ドングル

Jetson Nano には WiFi が搭載されていないので何らかの追加機器が必要です。Amazonで検索して一番ポピュラーな TP-Link WIFI 無線LAN 子機 11n/11g/b デュアルモード対応モデル TL-WN725N というのを選びました。もっと高速通信できるバージョンもありましたが、新しいものに飛びつくと痛い目にあうのが世の常なので安定動作を優先です。

ドングルをUSBコネクタに挿して起動すると、画面右下にWiFi設定用のアイコンがあります。ネットワークを選択してパスワードを入力すれば動きます。モード設定がわからなければパソコンの接続状態を見て、条件を合わせ込めば繋がるはずです。

カメラ

Raspberry Pi 用の、初期の安いV1は Jetson Nano では使えません。V2が有力候補になりますが、AmazonでJetson Nano対応となっているものを選びました。 SainSmart IMX219カメラモジュール、NVIDIA Jetson Nano用8MPセンサー160度FoV 3280×2464解像度,RoHS認証あり

フレキケーブルで Jetson Nano に接続すると、/dev/video0 として認識されました。

動かしてみます。

これだと上下逆になってしまうのでオプションを追加します。

最初ピントが合いませんでしたが、レンズ先端部を回転すると合いました。

なんだか色味が赤っぽいので補正します。以下のコマンドを実行しました。

このカメラは広角なので周辺部が魚眼レンズのように歪みます。撮影用ではなく物体認識等に向いているようです。

USBカメラ

USB接続の Logicool C270n HD WEBCAM を接続してみました。

今度は /dev/video1 として認識されていますのでオプションを指定すると動作しました。

microSDカード

Raspberry Pi を参考に「32GB以上でCLASS 10対応のもの」を探して、実際には 64GB を使いました。

HDMIケーブルとモニター

Jetson Nano の HDMI コネクタは通常のサイズなので、テレビで使っているようなケーブルで大丈夫です。

キーボード&マウス

これは必須。USB接続のものを使います。

ファン

そもそもファンが必要かどうかは用途次第ですが、ファンが必要になるようなことをやらないなら Jetson Nano を使う意味がないのでファンも購入しまいた。5VでPWM制御のものが条件です。あと、ビス穴の位置、ビスが付属しているかどうか、電源をピンヘッダから取るかファン専用のコネクタから取るか、等々の検討をして GeeekPi というメーカーのものを選びました。

/sys/devices/pwm-fan/target_pwm というファイルにファンの動作スピードを記述すればファンが動作します。記述したファイルを保存した瞬間に動作を初めます。デフォルトではこの値が 0 になっているので動きません。例えば次のように、ファンの動作スピードを 0 〜 255 の範囲で指定します。

コマンドをタイプするのが面倒なら、ホームディレクトリの .bashrc の最後に次のように alias 定義しておけば、fan-low または fan-hi のような別名で実行することができます。

ケース

Jetson Nano 用のケースがありますが、今回は3Dプリンタで自作して、モニターに引っ掛けて使っています。カメラもいい感じに収まっています。

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